VOL.10:「見ていない光景」
この冬は暖冬でしたね。
東京では積もる雪を見ることはありませんでした。もう何年か雪を見ていないような気もします。
冬というより、初冬というのが合っているように感じますが、
皆さんは金色に輝く月夜の銀杏を見たことありますか?
私が中学生の頃(何年前か内緒!)、週2回の塾の帰りに近所の公園をいつも通っていました。その夜は満月がキレイでとても寒く、公園には桜と銀杏が植えられていて、黄色に紅葉した銀杏の葉が地面を覆っていました。黄色の葉は寒さで凍っていて、そこに月の光が差すと、キラキラと輝くように見えるのです。
ほんとうに寒い夜で、静かであまりにもキレイで、ただただ、月明かりに輝く銀杏の葉を見ていました。
でも、残念ながら輝く銀杏の葉を、あれからほんの数回しか見ることが出来ません。公園と銀杏は、今もほぼ当時のままあるのですが、毎日通る道ではないし、天候が悪くて月が出ていなかったり、キレイに紅葉しなかったり、そしてこの暖冬のように夜でも葉が凍るほど寒くかなったり。私が見た光景は、たまたまいろんな条件が幸運にも重なったのかもしれません。
でも、冬も春も夏も秋も、あの頃とは少し違ってきているように感じませんか?
日本は忙しい国。そう書かれている文章を読んだことがあります。四季どころか、六季,八季あるような季節の変化に合わせて、服装や家のしつらえを替え、様々な季節の行事をこなさなければならない。著者は外国の方でした。
でも、ずーっとそうして暮してきたのですから、大変だと思うことも多いけど、そこに喜びや幸せもたくさんあります。
やっぱり冬は寒く、春は暖かく、夏は暑く、秋はさわやかであって欲しい。
これからも季節ごとの美しい光景を発見して幸せだと思える毎日を送りたい。
と、思いませんか?











